読書感想文「無印良品の「改革」」 | 自分残思徒然

読書感想文「無印良品の「改革」」

無印良品の「改革」―なぜ無印良品は蘇ったのか/渡辺 米英
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一時期、低迷のどん底であえいでいた無印良品が

どのように息を吹き返してきたのか、その「改革」の内容に時間軸に沿って触れていったもの。とはいえ今でもまだ「改革」の途中ということもあり、中には歯切れの悪い表現のところもあったが、その方向性はぶれておらず、そのぶれないところが今の無印良品の経営的安定をもたらしているのだろう。

 

 

「改革」と謳っているが、行ったことは至極当たり前のこと。

(1) 在庫ロスを減らす。在庫の見える化

(2) 実行スピードを上げるため、組織をスマートにする

(3) 無駄な会議の削除、方法の変更

(4) 新規事業・店舗開発の基準作り


 

簡単に言えばそれまで、担当者の「感覚」で行っていて上手くいった部分が担当者が変わるなどによってノウハウが引き継がれなくなったことにより、低迷期を迎えてしまった反省から、ノウハウが引き継がれる仕組みを作り、人に依存するのではなく組織として骨太の状況を時間を掛けて作っていったことで、これまで培ってきた「MUJI」のブランド力と掛け合わさったことで復活を遂げてきたというところであろう。

 

 

上に4つの項目を取り上げてみたが、第三者から見ると驚きの事項はまったくなく、当然のことのように見えるが、だが中に入ってしまうと現状のシガラミなどに縛られてしまい、こうした当たり前のことが見えなくなってしまうことが多々ある。またもし見えていたとしても、既存のシガラミから実行できない場合が多い。こうした事例を紹介した著書を読むと、調子が良くても悪くても、現状に満足することなく、常に「疑問」を持ち続け、「変」かなと思ったことに対しては、怖がらずに変えていくことの大切さを学んだような気がした。